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農業ジャーナリスト賞
 
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 農 業 ジ ャ ー ナ リ ス ト 賞 

 
 
第30回農業ジャーナリスト賞受賞作品


報道

 TPP関連企画
  「国のかたち 地方の姿」シリーズ

熊本日日新聞社
 

 交渉内容が開示されないまま賛否両輪が渦巻く環太平洋連携協定(TPP)について、地方の視点から、TPPがもたらすグローバル化の影響を考察した長期連載企画。各界の有識者へのインタビュー「TPPこうみる」、グローバル化の影響に揺れる現場ルポ「TPP現場から」を柱に構成。紙面やウェブ展開と併せて、読者との双方向性を意識した県民参加型のTPPシンポジウムを開催するなど、中央の目線で捉えられがちなTPP問題を、直接影響を受ける地方の新聞社ならではの視点で分かりやすく、多角的・重層的に報道した力作となった。農業分野だけでなく、製造業、知的財産や保険、医療など様々な立場の意見を精力的に取材、さらに県外や海外(韓国、タイ)にも幅広く取材したことは高く評価される。最終回の記者座談会も読み応えがあった。今後の熊本県農業の方向も提示している内容になっている。

     
映像

 ヒノキは僕らの宝物
  若い力が森林を再生する日

岡山放送
 
 
 

 衰退する林業の起死回生に向け、村の呼びかけで村外から移住してきた若者たちがヒノキで家具を作り、森林再生に貢献しようと奮闘する姿を分かりやすく描いた秀作。林業の未来に希望を与えるテーマで楽しめた。木の魅力に取りつかれた爽やかな若者たちと農山村の出会いをしっかり描き、若者の人物像の掘り下げも行われ、山村再生の可能性を感じさせる好感度の高い番組に仕上がっている。特に京都の親子「学習机体験ツアー」は、映像の特性を十分に活かしていた。また「この村の取り組み(百年の森林構想プロジェクト)が始まるまで、自分の木がどこに行っていたのか知らなかった」という山主の語りは、原料供給に甘んじてきた林業の現実を良く表している。番組で紹介される西粟倉村のプロジェクトは、森林組合、村民の熱意を踏まえた構想で村外の若者を取り込み、家具作りで技術の伝承と収入の確保を図ったことが功を奏した優れた成功事例だ。

 

 孫七の森
  ~いま切実に里山を思う~

山形放送
 

 深刻化する里山荒廃が進む中、大正生まれで戦争を生き抜いた元化学教師という異色の山主が、荒廃の象徴「ナラ枯れ」からの再生を目指した地道な活動を4年間かけて丹念に追い続けたドキュメンタリー番組。主人公の「日常」を長期にわたり描写することで、「里山」に発生する様々な問題を丁寧に記録している。地味なテーマだが、地方局ならではの番組と高く評価される。足腰の衰えた老山主が抱く里山への切実な思いに引かれる制作者の真摯で丁寧な取材姿勢にも好感が持てる。山を守る1人の老人を追い、山を守る難しさがよく分かる。厳しい山の現実だが、登場人物のいきいきした表情をみごとにとらえ、ドキュメンタリーならではの記録映像で、「孫七さん」の息遣いを感じる人間ドラマ作品となった。こうした里山荒廃問題が、いま全国各地で起こっていることも連想させ、身近な問題として感じられた。

 ETV特集
  それでも道はできる
   ~福島・南相馬 コメ農家の挑戦~

NHK制作局
 

 原発事故で被災し、汚染された農地を再生させて地域の農業を復活・発展させようと苦闘する2人のコメ農家の生きざまに密着し、1年にわたり長期取材したドキュメンタリー。原発事故の過酷さが何をもたらしたのか、その土地で生きること、農業を続けることの深い意味に突き抜けた秀逸な作品に仕上がった。地味な展開ながら、制作者の意気込み、強い訴えかけが伝わり、苦労して作ったことが分かる。声高に叫ぶことはなくとも、懸命に農業に取り組んできた農業者の悲しみ、悔しさ、怒り、苦しみ、悩む姿に感動し、心に染みる思いをよく伝��ている。農業者の遠い将来を見据える目線、世代を繋ぐという強い意識など、「農」の本質も語り、「あきらめる必要はない」と、その土地で生きる覚悟がよく描け、視聴者の心に深く残った。番組冒頭の2人のコメ農家の「チェルノブイリ訪問」にもインパクトがある。放送後も多くの反響が寄せられた。

 

 明日へ 支えあおう 復興サポート
  放射能汚染からの漁業再生 ~福島・いわき市~

NHK制作局
 

 原発事故で放射能汚染に直面した漁業再生の行方を探るには、科学的な調査データを元に魚汚染のメカニズムとその実態に迫ることで、漁業関係者、消費者、行政、専門家を交えた多方面の「つながり」が力になることを、当事者の議論を通じて示した。現場で起こっていることを、視聴者にどう効果的に伝えるのか。その手法はVTRだけでなく、スタジオ形式などいろいろな形であり得ることを示したチャレンジングな姿勢も好感が持てた。またさまざまな立場からの議論は、原発事故の今後を考える手がかりとなっている。福島沖で続けられている漁業は、事故から4年たった今も影響が強く残る。漁業者が壊したわけではない流通や消費者への信頼を、高齢化、後継者不足に苦しみながら漁業者がどう取り戻していくのか。漁業関係者の表情が、番組開始直後と後半とで大きく変化してきたことも印象的で、演出に工夫を凝らしている。

   
  過去の受賞作品