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農業ジャーナリスト賞
 
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受賞作品
 
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 農 業 ジ ャ ー ナ リ ス ト 賞 

 
 
第31回農業ジャーナリスト賞受賞作品


【受 賞】
 
出版

 地域に希望あり まち・人・仕事を創る

大江正章 著
岩波書店 刊
 

「日本創成会議」のいわゆる「増田レポート」で“消滅可能性1位”と名指された群馬県南牧村で、移住者が増えているルポを序章に据えた。東日本大震災以降、社会のありようを強く問い直し始めた人々が、移住者や若手を巻き込んでコミュミニティの力をつける全国の多様な事例を紹介。各地に足を運び、丹念で豊富な取材力と構成力で地域の実相をとらえている。徹底した現場と人を取材する姿勢はルポの王道だ。震災をきっかけに生き方を見直す若者、原発事故の打撃を受けネットワークを強めた農漁業者、地場産業との連携で地域づくりの主役に成長した首都近郊の有機農業者など、多くの人々にアピールする力を持っている。著者の地べたからの発想、行動の掘り起しは、著者の長年にわたる地道な実績の証しといえる。

     
映像

 ドキュメンタリー映画
  無音の叫び声

原村政樹 監督
 
 
 

 山形県上山市在住の農民詩人・木村迪夫の人生とその詩の世界を通して、日本のむら社会の変容プロセスと農業の本質を明らかにする。5年かけて撮影した監督、スタッフの労苦が伝わる。映像も美しく、語りも丁寧だ。映像は、木村が綴った魂の叫びである詩を交えながら戦後農業の変遷を丹念に追う。小作農の長男として生まれ、父と叔父を戦争で失い、男手のない7人家族を支える母と祖母の過酷な日々を見続けた木村の心模様が深く描かれている。戦争、戦後の高度成長、農村の危機は東北のみならず、全国に共通する体験であることを実感する。戦争が農村に与えた苦しみ、農政に翻弄される農民を通して、戦後の70年間は一体何だったのか、と言う問いが重くのしかかる。

   
【特 別 賞】
 

 

出版

 無音の叫び声 農民詩人・木村迪夫は語る

原村政樹 著
農文協 刊
 

 映像とのメディアミックスとして生まれた本書は、農民詩人・木村迪夫の単なる評伝ではない。「農民の心の底に潜む豊穣な精神世界に分け入りたい」と、戦争で一家の大黒柱を失った木村家の戦後史を辿り、木村の生き方と詩を通して「農業と反戦平和の大切さ」を綴り、戦争とは相容れない自然と農と村の奥深さを描くことで、「未来への警鐘」を鳴らす。縦軸に戦後70年、横軸に詩集を組み合わせ、静かに訴える構想力は高く評価される。詩とインタビュー、編集者の文章のアンサンブルが、木村作品の神髄を伝えている。反戦詩が光る中、戦争を下支えた村の姿も浮き上がる。人々の屍(しかばね)の上に今があることを感じさせる。農と平和への強い訴えが読む者を立ち止まらせ、考えさせる。

   
  過去の受賞作品