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農業ジャーナリスト賞
 
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受賞作品
 
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映像

 農 業 ジ ャ ー ナ リ ス ト 賞 

 
 
第33回農業ジャーナリスト賞受賞作品


【受 賞】
 
報道

 日本農業新聞90周年キャンペーン「若者力」

日本農業新聞
 

高齢化と担い手不足問題に直面する国内農業・農村で、農業を自発的に選んだ若い世代に着目し、地域の再生復活に力を発揮する若者の活躍を綿密に取材した力作で、圧倒される。地域と若者に密着したルポ記事等は200本以上にのぼる。「若者力」の多様性が良く描けている。事例だけでなく合間に識者のインタビューも入れ、海外取材も盛り込むなど企画の構成も優れている。キャンペーンを通して日本農業の問題点を抽出し、今後に向けた課題を提起したことも的確。すでに成功した農家ではなく、新たに挑戦する30歳代層の若者群を主たる取材対象にしたことに意義があり、農村で頑張る若者を勇気づけた。反響も大きく、新たな農業ファンを開拓したことも評価される。その根底にあるのは共生・地域・つながりであり、2015年9月の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)にも合致し、協同組合の理念の再認識にもつながるなど、新たな価値観を提示した。記事の中の写真も良く、好感が持てた。

     
映像

 ドキュメンタリー映画「被ばく牛と生きる」

松原保監督
 
 
 

家畜という生き物の存在に迫り、故郷も生業も奪われた畜産農家の心情を的確にとらえ、悲哀と切なさを5年間という長い時間をかけて丁寧に描いた取材力は圧巻。原発直後の様子から、被ばく牛の命を守ろうとする人々の必死の取り組みの様子が生々しく描かれ、感動を与える。大変重いテーマに真っ向から立ち向かい、全編から命とどう向かうのかというテーマが牛飼いの思いとともに突き刺さる。「事実に謙虚」であろうとする姿勢が貫かれているドキュメンタリー映像には、圧倒的な訴求性がある。反原発のイデオロギーを超え、命の尊厳を見る側に深く考えさせられる見事な物語に仕立て上げられ、登場する人々のそれぞれの思いが強く心に響く。ラストの農業者・研究者のインタビューに集約されていく構成も優れている。何よりも映像が丁寧であり、カメラワークも秀逸で制作者の力を感じる。将来に残さなければいけない貴重な作品で、多くの人に見てほしい。

   
映像

 「私の森が消えた!~森林盗伐問題を追う~」

宮崎放送
 
 
 

森林面積が県全体の76%を占め、スギの素材生産量26年連続日本一の宮崎県で横行する森林盗伐問題の背景と実態を明らかにするため、長期にわたって関係者に丁寧に取材するというオーソドックスな手法に好感が持てる。森林資源の流失だけでなく、環境問題や災害誘発の原因にもなる危険な事態について粘り強く取材を続け、なぜ盗伐が頻繁に発生し、また罰することができないのか。林野行政の問題や警察の怠慢をあぶり出し、腰の重い関係各所を動かしたパワーは高く評価できる。住民の深い苦悩と行政、警察に関する対応も鋭く、ジャーナリズムの力を感じる。こうした「調査報道」によって、関係機関が変わり始めたことに大きな意味がある。番組放送終了後、関係業者が逮捕され、、国が違法伐採の全国調査に乗り出すなど、林野行政に一石を投じた。放送後は被害者の会が結成されるなど反響を呼んだ。

   
【特 別 賞】
 
映像 どーんと鹿児島「お日さまに照らされて」 南日本放送
  制作者のジェフリー・アイリッシュさんはアメリカ出身の著名な民俗学者で、20年前に鹿児島の農山漁村に入り暮らしてきた。自ら小さな集落の自治会長もしながら、その世界を著作で紹介してきた。作品はアイリッシュさんが暮らす薩摩半島の農村に住む90代、80代の5人のふるさとの先輩古老たちの「聞き取り」的映像記録であり、農業に携わりながら生きることの“幸せ”を感じさせ、心が温かくなる作品に仕上がった。古老たちに丹念に向き合い、どう生きるか、人とどう接するか耳を傾ける。まるでお日さまのように、見る人たちの人生に光をあててくれる。人間として自立した生き方を最後まで貫く姿勢が伝わる。農業を通じた地域コミュニティーの暖かいつながりもうまく表現されている。何よりも、農村のくらしの神髄を炙り出すことにより、最近はやりの地方創生対策だけでは、地域は蘇らないことを暗に訴えている。農村をこれだけ生き生きと描いた番組は珍しい。主人公自らの控えめなナレーションもよい。古老たちの方言を完璧に理解する姿にも感服させられる。ごく普通の農村の風景映像も美しい。
     
   
  過去の受賞作品